八ヶ岳高原の別荘 改修工事

八ヶ岳高原の別荘 改修工事 2

八ヶ岳山麓の標高1600mの高原に建つ別荘の外装を中心とした改修工事の続き、屋根と舗装の改修工事です。

2.ガルバリウム鋼板屋根材によるカバー工法によるコロニアル(セメント系スレート)屋根の改修 紫外線により劣化したコロニアルの上にアスファルト防水シートを敷き込みガルバリウム鋼板の横葺きする作業です。

繊維セメント系の屋根材は表面の保護塗装面が紫外線ではがれたため本体に水が浸み込み劣化が進んでいる状態でした。1998年築の今回の建物の繊維セメント系屋根材のメーカーと品番からアスベストが含まれていることがわかりました。

本来であればアスベストが含まれた屋根材を撤去し防水シートを敷き新たな屋根材を葺く方法が考えられますが、廃材の処理費用と施工中の降雨のリスクを考え今回は既存の屋根の上に新たな防水シートと屋根材を施工する「カバー工法」を採用することにしました。

繊維セメント系屋根材の上にアスファルトルーフィングを敷き込みガルバリウム鋼板の屋根材を葺いている様子です。垂木にビスを留めることが難しいため、カバー工法専用のビスを使って屋根材を固定していきます。

棟押え、ケラバと軒先の水切を取り付けの作業が進んでいます。周囲の樹木の枯れ葉が飛ぶため軒樋は設けていません。また、多雪地域ではなく落ち葉やゴミが溜まるため雪止めは玄関周囲のみに設置しています。

腐食した構造体の改修の際に撤去した外壁のモルタル塗りも完了しました。この上から微細なクラックに追従する弾性系の外壁用の吹付塗料をローラー塗りします。

既存の外壁とのジョイント部にはクラックを防止するため写真の様なガラス繊維のメッシュを樹脂モルタルで塗りこみ一体化します。モルタルは止水性が無いため外壁塗料の塗膜で水の侵入を防ぐ構造なのですが、収縮によるクラックで塗膜が破れると浸水し外壁を痛めてしまうためとても重要な作業なのです。

つづいて3.凍害により沈下した駐車場、エントランス通路舗装の改修 凍害と地下水によりところどころ沈下したアスファルト舗装の駐車場とエントランス通路の舗装をやり直す作業です。

写真は表面のアスファルト舗装をはがす作業です。通常はしっかりと転圧された粒度調整砕石の上にアスファルト舗装を施工するのですが、アスファルトの下部にはほとんど砂の中に少量の小さな砕石。長年の荷重や凍害、水の流れによりアスファルト舗装が沈下してしまったメカニズムがわかりました。

アスファルトを撤去した後、道路の路盤材に用いる粒度調整砕石を敷き込みしっかりと転圧していきます。

アスファルトを敷き込み転圧してアスファルト舗装工事が完了しました。奥から手前の側溝まで1/50の水勾配を確保しています。

改修工事は調査・計画の際にはわからなかった建物の状態が作業を進めていくうちに発覚し、工程を守るためにはその場で臨機応変に対処する必要があります。今回の改修工事でもデッキの腐食が建物本体の構造にまで進んでいることは外観からの調査ではわかりませんでした。

今回施工をお願いした株式会社ヨダモッコウプラスさんは臨機応変にその場である材料、ストックされている資材を使って確実に迅速に施工していただきました。

いろいろ学ぶことができた今回の改修工事、今後の設計に生かすことのできる貴重な経験でした。

「八ヶ岳高原の別荘 改修工事1」を参照

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