建物南側外観

房総半島の中央部に位置する長南町の丘陵地。周囲を森で囲まれた約3,000坪の広大な敷地に建つ広いアウトドアリビングとプールのある平屋の別荘の計画です。

都内に住むクライアントご家族は自然豊かな房総半島で週末を過ごし、大好きなプールや海、果樹栽培、房総の魚介を使った料理を親しい方々と楽しむ拠点としての別荘の計画をスタートしました。

丘陵地を段状に造成された敷地は東、南、西を緑豊かな森で囲まれ北側は交通量の少ない道路に接道しています。屋外での時間や食事を楽しむことが好きなクライアントのためプールに面した屋根のあるゆったりとした広さのアウトドアリビングを中心に各部屋から豊かな森の景色を楽しむことができる弓形の平面形状が導き出されました。

撮影：富岡真一郎

建物北側外観

計画地は周囲を樹木に囲まれ前面道路とのレベル差もあるため周囲からプライバシーが確保されています。建物本体は敷地の奥行きのある真南を向けて配置され、デザインと素材が統一されたガレージ棟と敷地内の道路で結ばれています。

ガレージ棟は車2台の駐車スペースと約12畳の作業スペース兼倉庫で構成されています。

撮影：富岡真一郎

建物南側外観

特徴的な弓型の切妻屋根と妻側の外壁は耐久性の高いガルバリウム鋼板の竪ハゼ葺きで、雨がかりの無い外壁は窯業系スレート葺きとしています。屋根、外壁とも通気工法を採用するとともに遮熱性能のある屋根防水、透湿防水シートを使用しています。南側の庇は1.4ｍの深さがあり、夏の日射を遮り冬季は室内の奥まで日射を導入するように計画されています。

省エネルギー性能の義務化を見越し、断熱等性能等級４と同等の断熱性能を確保しています。屋根には120mm、壁には60mmの高性能な現場発泡硬質ウレタンフォームを。床下には50mmの押出ポリスチレンフォームの断熱層と通気層を設け、開口部にはアルミ樹脂複合サッシとペアガラス採用しています。

撮影：富岡真一郎

建物南側外観

中央のアウトドアリビングを中心に向かって右側のブロックにはリビングダイニングとキッチン、メインベッドルームと専用のシャワールームとクローゼットを配置しています。左側のブロックには2つのゲストのためのベッドルームとバスルーム、ご主人のためのワークルームとその倉庫を配置しています。ゲストを迎える際には建物全体を、ご家族のみの利用の際は右側のブロックのみで完結するようにゾーニングされています。

フランス製の半既製のプールは5ｍｘ10ｍの大きさがあり深さも1.5ｍが確保されています。循環式のフィルターが2か所用意されており、定期的な薬剤の利用で水の入れ替えは不要な構造となっています。

撮影：石井雅義

建物南側外観

深い軒によって陰影が作り出された特徴的な外観。アウトドアリビングとプールは階段で結ばれ一体的な利用ができるように計画されています。

撮影：石井雅義

建物北側、エントランス外観

エントランスへは敷地入口から車で敷地内道路を通って車寄せにアクセスすることができます。玄関ドアの前にはゆったりとしたポーチを設けましたので、雨の際にも濡れずに建物に入ることができます。

撮影：石井雅義

エントランスホール

エントランスのドアを開けホールに入ると正面の大きな窓からアウトドアリビングとプールの景色が広がります。屋根の勾配に合わせた勾配天井は約3.2ｍの天井高があり、ゆったりとしたスペースとなっています。
左のドアを開けると約6畳の家事室を兼ねた倉庫を経由してキッチンに至る裏動線が確保されており、右側のドアを開けると約6畳の外部用の倉庫が用意されています。

撮影：石井雅義

天井高3.2ｍ、幅員1.2ｍのゆったりとした廊下。ご家族のみでの利用の際は写真奥の建物東側ブロックのみで完結して利用できます。

撮影：石井雅義

アウトドアリビング

アウトドアリビングは約50㎡(30畳)の広さがあり、ダイニングセットとソファーをゆったりと配置することができます。プールと一体的な利用が可能で、大人数での食事やパーティーにも対応できるように計画されています。専用のキッチンと倉庫が用意されています。

屋根の庇は夏の日差しを遮り、冬はアウトドアリビングの奥まで日差しが届くように計画しています。特徴的な外壁は窯業系のスレート、床にはコンクリートスラブを下地に大判の磁器質タイル張りとしています。

撮影：石井雅義

リビングダイニング

キッチンとあわせて約33畳の広さと3.2ｍの天井高さのあるリビングダイニング。中央にはサイドガラスのある薪ストーブを配置しています。壁と天井には塗装のようなテクスチャーのビニールクロス、床は幅の広いオークの無垢フローリングを使用しています。

撮影：石井雅義

リビングダイニング

大きな窓越しに緑豊かな風景を楽しめるリビングダイニング。隣接したアウトドアリビングとの行き来が容易で、一体的に利用することができます。

撮影：石井雅義

キッチン

料理でゲストを持て成すことが好きなクライアントのためのキッチン。長さ3.5ｍの長いアイランドキッチンは大人数での作業にも対応でき、高出力のコンロと大きな食洗器を内蔵しています。背面のカップボードにはガスオーブンが内蔵され、引出しと吊戸棚があり膨大な収納力があります。

撮影：富岡真一郎

メインベッドルーム

リビングダイニングに隣接するメインベッドルーム。専用のシャワールームとウォークインクローゼットが用意されています。

撮影：石井雅義

メインベッドルームのシャワールーム

撮影：石井雅義

トップライトのあるの廊下

幅員1.2ｍ、3.2ｍの天井高のある建物西側ブロックの廊下。左右にゲストルームと洗面室とトイレが配置されています。突き当りはクライアントのためのワークルームです。

撮影：石井雅義

ワークルーム

撮影：石井雅義

豊かな敷地の景色を楽めるバスルーム

1824のゆったりとしたサイズのユニットバスです。壁と床にはオプションの磁器質タイルを使用しています。浴槽からは大きな窓越しに緑豊かな景色を眺めることができます。

撮影：石井雅義

バスルームの脱衣室

既製の洗面台とミラーボックスを利用したシンプルな脱衣室の洗面台。右側の壁面には埋込式の収納ボックスが設置されています。

撮影：石井雅義

リビングダイニング夜景

撮影：石井雅義

リビングダイニング夜景

撮影：石井雅義

建物夜景

プールには水中照明が設置されています。

撮影：石井雅義

撮影：石井雅義

アウトドアリビング夜景

撮影：石井雅義

建物エントランス夜景

撮影：石井雅義

計 画 地　千葉県長生郡長南町
主要用途　専用住宅
構造規模　木造軸組構造　地上1階
敷地面積　8968㎡
建築面積　258.46㎡　ガレージ47.14㎡
延床面積　242.80㎡　ガレージ36.22㎡
竣　　　工　2022年11月
建築設計　TAPO富岡建築計画事務所　富岡真一郎
構造設計　小川勝利建築設計事務所　小川勝利　藤原均
施　　　工　株式会社佐久間工務店　宮内裕
竣工写真　ISHII ATELIER　石井雅義

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